今からちょうど10年前の平成10年当時・・・
「2010年までに日本の物価は半分になる」
・・・と予言し、またそれを実行しようとした男がいた。
かつて「価格破壊」という言葉を世間に浸透させ、
日本最大級の流企業、ダイエーを築き上げた
・・・中内功である。
しかし、中内自身は
「価格破壊」という言葉を嫌っていて、
価格の「正常化」だと言い張った。
そのうえで、物の価格を半分に抑えれば、
50兆円規模の新しいマーケットができる
・・・と試算し、そこに突き進んだが、
その後は、ニーズの多様化で赤字に転落。
息子に跡を継がせたい一心のワンマン人事により
社内の不協和音も高まり、
2001年に勇退し、完全にダイエーと決別した。
中内が予言した2010年まで、
あと2年と迫った今。
世界的な不況のあおりを受けて、
50兆円規模の新しいマーケットどころか
・・・庶民のサイフの紐は固くなる一方だ。
中内功の予言は完全にはずれたのか?
発言された頃には荒唐無稽と思われていたが、
まさに現代を言い当てているような言葉もある。
「メーカーは私が考えるところ
だいたい4社体制になってきます。
自動車メーカーから証券業から全部、
テレビ局も4社、出版社も4社になります」
参考文献「中内功語録」中内功研究会=編/小学館文庫=刊