Episode No.2784(20070724):
数字の軽さ
大臣の軽口が次から次へと問題になってる。
かの田中角栄は、
口数が多いような印象はあるけど、
頭の中には重要な統計の数字が
正確にインプットされていて・・・
そうしたシッカリとした裏付けの元に
豪快な話もした。
コンピューター付きブルドーザー
・・・といわれた所以だ。
お笑い芸人の真似をして、
ウケ狙いの軽口を叩いてもボロが出るだけ。
元・お笑い芸人の方が、
よほど鍛えられているように見える。
地位が上がってくれば
見渡さなければならない範囲も広くなる。
一方で年齢も上がって記憶力も衰えてくるから、
すべてを頭に入れるのは難しくなってくる。
それでも説得力のある話をするには・・・
一つのことを掘り下げればいい。
いや、すでに掘り下げられた
大人の視点がなければならない。
三島由紀夫が対談で、
こんな話を紹介している。
残酷さを表現したければ、
ひとつの死体をよく観察すればいい。
死体がたくさんあることは、
もちろん残酷な世界であるには違いないが、
ひとつ一つの死体を見ることより、
数をかぞえるしかなくなる。
1つの死体をジックリ見据えるのと、
100の死体を数えるのと、
どちらが残酷さを感じるかといえば
・・・間違いなく前者だろう。
・・・というような話。
飢えている人の数を知るより、
目の前で飢え苦しんでいる人を見る方が、
はるかに切なさを感じる。
ようするに・・・
目の前にいる国民をよく見ていれば、
具体的で、
もっとまともな話ができるだろう
・・・ってことだ。
もうすぐ選挙。
信じられる人はどこにいるんだろう?