Episode No.1914(20041011):教育論・番外編
台風一家
台風のために
次男の幼稚園の運動会が順延された。
どんなに技術が発達しても
やっぱり自然にはかなわない。
自然の流れにうまくのって
生かしてもらうのが
生物としての宿命だな。
台風のおかげで
幼稚園に行く必要はなくなったが
それなら会社へ・・・
というのは経営者の宿命だ。
出がけに長男と一緒に
自宅のまわりを見回った。
何か飛んでしまいそうなものはないか。
倒れて危ないものはないか。
子供たちの自転車も
ヒモでフェンスにくくりつけた。
自転車が飛んでいくこともないだろうけど、
隣りに停めてあるバイクに
キズでもつけられたら嫌だから、ね。
勝手口に出ていた
ビーチサンダルを避難させながら
長男が言った。
「なんだか大地震がくるみたいだ」
「地震と違って
いつ来るかがわかるから
まだ、いいじゃないか。
だから、こうして準備もできる」
家を守るのは、一家の長の役目。
長男もやがては一家の長になる。
そんな時に
ただぼんやりと天気予報を見ているだけじゃなく、
自分の身の回りを見られるようにするには
こうして、まだ小雨のうちに
家のまわりを点検することを覚えさせるのが
父親の役目だろう。
自分の役目がはたせなければ・・・
その立場ならではの喜びも
感じられるはずはない。