Episode No.1633(20031118)
アクジデントはつらい?

どんなに巨匠と言われる人にも
苦しい新人時代はあった。

「渡る世間は鬼ばかり」をはじめとする
人気の脚本家・橋田壽賀子だってそう。

テレビ業界がまだ創世記だった頃。
今みたいにシナリオのコンテストや
養成スクールもない時代・・・
脚本家を目指した橋田は
飛び込みでテレビ局に作品を持ち込んでいた。

ところが・・・
プロデューサーの机の上には
同じように持ち込まれた脚本が
いつも山のように積んである。

そこで、女性ならではの知恵。

橋田は自分の脚本の表紙に
目立つよう、赤いリボンを付けたりしたらしい。

そんな努力が実って
ようやくプロデューサーに覚えられるようになったが
それだけで作品が評価されるほど甘くない。

とりあえず読んでくれるという
約束をとりつれるのが関の山。

ところが・・・
プロデューサーが読むと約束してくれた作品は
プロデューサーがうっかり電車の中に置き忘れ
紛失してまった。

今のようにコピーやバソコンもない時代。

普通なら・・・
そこで、もうやる気も失せるところだが
橋田は違った。

紛失の話を聞いた翌日、
もう一度、同じ原稿を書いて
プロデューサーの元へ届けたのだ。

これにはプロデューサーも驚いて
そのプロ根性が認められ
ようやくデビューのチャンスをつかむ。

新しい仕事をとる時もそうだけど・・・
新参者が分け入る空きがあるとすれば
それは・・・アクシデント。

アクシデントをできない理由にしていたら
永久にチャンスは巡って来ない。

本気でやりたいと思ったら・・・
クサってる暇はない。


参考資料:何事も・・・うまく活かせないのは自分のせい