Episode No.1621(20031104):
理不尽なことはわかってる
「組織の中では、しばしば
罪があって排斥されるのではなく、
排斥する気があってから
罪がつくられるのだ」
・・・この言葉は何も
日本道路公団総裁を解任された
藤井治芳が言ったセリフではない。
昭和初期に活躍した小説家、
埴谷雄高の言葉。
人間が理不尽な生き物であるなら、
その人間の集まりである組織は
さらに理不尽だ。
最も、藤井元総裁が正義だとは
国民の一人として思わないけど、ね。
正しいだけで通る意見は
ほんの小さな、
何の影響力もない意見だけ。
影響力が強い意見、
ことさら正義を振りかざした意見は
なかなかどうして通らない。
ハッキリとした正義なら
その反対には悪がある。
悪だと決めつけられた方は
とても黙っていないだろう。
立場によって正義の意味もまちまち。
赤穂浪士に仕留められた
吉良上野介だって・・・
地元の名士だったというし、ね。
反対意見が出ないよう丸く収めよう
・・・とすれば結論は玉虫色。
結局、何ひとつ動かないまま
外圧によって動かざるを得なくなるまで
自らの力では動かない
・・・それが、組織。
そんな組織にしがみつくことが
はたして名誉なことなのか・・・?
本当は名誉のためでも何でもない。
生活のためにしがみついてるだけ。
でも・・・
いつまでも、しがみついている側にいると
・・・やがては振り落とされる。
それは決して
・・・理不尽ことじゃないんだ。