Episode No.1321(20021118):交渉の行方

「ひとびとは長いこと論争している場合には、
 たいてい彼らの論じあっている事柄が
 彼ら自身にもわからなくなっている証拠である」
・・・ヴォルテール

人間関係は、交渉の連続だ。
とくに仕事や
自分でやりたいことのある場合には、ね。

コミュニケーションといえば
何だかお互い譲り合っているようだけど
実際には主張のぶつけ合い。

酒を酌み交わしているだけで
仕事がスムーズに運ぶなら
お調子者には蔵が建つはずだ。

自分の主張を聞いてくれる相手とだけ
コミュニケーションがとれてる、と思う人も多いね。

たまに相手が反論すると
あいつは変わった、なんて言うけど
そりゃあ自分に都合のいい部分だけしか
知ろうとしなかっただけの話。

さて・・・交渉には何が必要か?

さまざまな史実や経験から言うと・・・
本当は「話し合い」じゃないんだ、な。

話し合いは、いわば儀式に過ぎない。

話し合った内容で結論を出そうと思っていたら
交渉することにはならないんだ。
納得させられることはあっても、ね。

交渉に一番必要なのは・・・切り札。

切り札は、相手に勝る武器とばかりは限らない。
むしろ、相手に勝る武器が最初からあるのなら
命令でいいわけで・・・
交渉なんて必要ないんだから。

時には捨て身の覚悟がないと
切り札は切れない。

相手に主張を通すためには
自分はこれまで通り・・・
というわけにはいかないんだよ、な。


参考資料:「リーダーシップ名言集」鎌田 勝=編著 三笠書房=刊