Episode No.1263(20020911):借金術入門

保証協会がパンク寸前なんだってね。
保証協会「」と言った方が適切か・・・。

保証協会というのは簡単に言うと・・・
不動産取得の際、ローンを組む時に
保証人の代わりをしてくれる機関。

住宅ローンの保証人というのは
誰でもなれるものではない。

例えば親に頼もうと思っても・・・
親が不動産を持っていないとなれなかったり、
じゃあ知人に・・・と言っても
会社の同僚など、自分と同じところから
給与をもらっている人はなれない。

つまり基本的には
自分とは違う収入の道を確保していて
かつ担保価値のある不動産を持っている人でないと
ローン審査ではねられる可能性が非常に大きい。

そこで保証協会の出番。
場合によっては保証人と保証協会の二本立てでないと
借りられない場合もある。

ところが、この保証協会・・・
近年、リストラなどで
ローンが支払えなくなった人が急激に増え
肩代わりする保証協会も今やアップアップというわけ。
このままだと2004年には破綻するという説も。

そりため新規の保証料を値上げする
・・・といった方策もとられるようだ。

不動産といえば・・・
金利が安いことで人気があった公庫も
5年以内に解散するという話もあり
新規の借入は条件が厳しくなりつつある。

公庫がなくなると・・・
民間の銀行から金を借りなければならない。

民間の銀行は営利目的でやってるわけだから
当然、さらに審査が厳しい。
こうして、時間をおけばおくほど・・・
住宅取得のハードルは高くなっていく傾向にある。

ちなみに・・・
いかに条件のいい会社に再就職しようと
一般的に勤続5年以上経たないと
銀行で住宅ローンは組めないことになってる。

これも二極分化の表れだろう、ね。
でも、これが本来の資本主義経済なんだろう。

戦後の復興期、
みんなで豊かになろうとしていた時代は
もう、とっくに終わりを告げている。

ああ・・・とりあえず
借りられる時に借りておいてよかった。
無論、返すのは大変だけど。

必要になった時に自分の都合とは関係なく
借りられない世の中も、すぐそこまで来てる。
知らなかったじゃ・・・もう借りられなくなる。
それなりの年齢になってるのに
いつかは・・・なんて言ってたら、ね。

借金をするうえで大切なのは、ただひとつ。

「金で信用を作ろうと思うな。
 信用で金を作ろうと考えよ」
・・・テミストクレス


参考資料:「格言の花束」堀 秀彦=編 現代教養文庫=刊