Episode No.1167(20020522):忙しい男

私の仕事がおかげさまで忙しいのは・・・
私のお得意さんが忙しいからである。

会社を車に例えると・・・
道を造る仕事をしている人がいる。

それが、たいていの場合、キーマンと呼ばれる人だ。

道にぬかるみがあれば埋めなければならないし
先に川があれば、橋を造らなければならない。

しかし、一番忙しいのは・・・
車をまともに走らせることである。

せっかく道が整備されても
オイル漏れを起こしてオーバーヒートしていては
進むに進めない。

厄介なのは・・・
車を直すことに終始していると
今度はせっかく整備したはずの道が
また、雑草だらけになってしまうことだ。

まるで「底ぬけ脱線ゲーム」のように
あっちの道ではスコップをふるい・・・
車に戻れば油まみれになって工具を持つはめになる。

そうして困っている人がいるから
それを助ける商売も成り立つわけだけど・・・
外から適当な資材や部品は供給できても
こちらでハンドルを握るわけにはいかない。

車が自然に動いているような会社があるとすれば・・・
それは、惰性や勢いで進んでいるか
ひょっとすると、ただ坂を下っているだけなのかも知れない。

やはり道と車の整備を誰かがやっていないと
走っていく、というわけにはいかないのだ。

その両方に手がまわらなくなったら・・・どっちをとるか。

多少の悪路でも走れるように車を強靱なものにするか・・・
整備した道に新しい車を走らせるか、しかない。

とにかく走らせることが・・・仕事なのだ。
車に乗っていることが仕事じゃないんだ。


参考資料:動いているのか、動かされているだけなのか