Episode No.1104(20020309):疲れても進まないわけにはいかない

会社から最寄りの駅までは、ちょうどバス停ひとつ分。
バスを待つよりは歩いた方が早い距離だ。

普段は車で動くことが多いんだけれど・・・
出張の時などは会社の駐車場に車を置いて、駅まで歩く。

会社から駅までは下り坂。
問題は・・・
どっぷり疲れて駅までたどり着いた時の上り坂だ。

長い上り坂を歩いていく道のほかに、もうひとつ
裏道から階段を上がっていく道がある。

距離としては階段を使った方が比較的短い。
だけど・・・
同じ場所にたどり着くために長い坂を避けるということは
当然、階段は急になる。
段数もおよそ100段。

改札を出て・・・
左に行けば長い坂、
右に進めば急な階段。

いつも、その場でどの道を行くか一瞬悩んでしまう。

7対3の割合で・・・私は階段を選ぶ。
さしたる理由はないが
階段まで続く、薄暗いけど静かな道が好きなのかも知れない。

で・・・
階段の下まで来て、100段先を見上げては
ついタメ息をついてしまう。

かくなる上は・・・
一歩一歩足下を見て進むしかない。

途中で上を見上げるとドッと疲れが押し寄せて
つい、立ち止まってしまう。

立ち止まっても坂じゃないから身体が斜めになることはない。
階段で立ち止まるより、坂で立ち止まる方が
厳密に言えば緊張感もあって休めない。

階段は座り込めば、そのまま椅子だ。
だから、ひと度休んでしまうと
次に歩き始めるのに、かなりのフン切りが必要だ。

長い階段をできる限り早く進むためには・・・
たんたんと足下だけを見つめて上り続けるのが賢明。

もちろん、駆け上がればもっと早いに決まっているけど
いっきに駆け上がることのできる階段は、しょせん短い。

こつこつと・・・
あんまり疲れてきたら、何か別のことでも考えながら
私の場合は・・・
こんな話をここに書こうと思いながら・・・
今日もどうにか100段を上りきってきた。

上りきったとろで
ふと後ろを振り返ってみるのは、気分のいいものだね。


参考資料:・・・どっぷり