Episode No.970(20011004):文句野郎

伝言を聞いていませんでした?
そんなこと・・・私の知ったことじゃない。

あなたからそういう言い訳を聞くのは、もう飽き飽きしましたよ。
新人でもないくせに、よくそういう言葉がでますね。

第一、今こういう仕事がこういうスケジュールで動いていることは
充分ご承知でしょう?

そこまで知りません・・・とは言わせませんよ。
この間、あなたと直接確認したことなんだから。

それがわかっていたら・・・
たとえ伝言が伝わっていなくても、電話一本くれたらいいじゃないですか?!
そのくらいの気遣いはほしいなぁ。

あなたにそれがないんだとしたら・・・
担当のあなたを飛び越えて、直接現場に連絡させてもらった方が早い。

あなたの仕事は何です?

私の言ったことを右から左へ、そのまま伝えることですか?
それなら、電話やFAX、Eメールで充分だし、はるかに確実。

だいたい自分で「返事します」と言っておいて
実際に戻ってくる返事と言ったら、尋ねたことのまず半分だ。

そういうクセがついているじゃないですか?
後で何とか取り繕えるというクセがね。

今までの客先ではどうだったか知りませんが・・・うちじゃあ、そうはいきませんよ。


・・・と
うちにやって来る営業がだらしないと、私はこのくらいの文句は言う。

これくらい口うるさく言うからには・・・自分で同じことはできない。
もしも、同じことをすれば、この時とばかり「ホラみろ」と言われるだろう。

自分がそう言われたくないから、自分も誰かにそういうことは言わない。
人の仕事の仕方については、できるだけ干渉しない・・・そういう考え方もあるかも知れない。

しかし・・・それは時と場合による。

正しいと思うことは断固として言うべきだと私は思う。
間違っていると思うことを、争いを恐れて口にしないのでは同罪だ。
お互いに足を引っ張り合い・・・やがて大きなミスにつながることは必至。

「勤勉だけが取り柄なら蟻とかわらない」・・・ヘンリー・D・ソロー


参考資料:「心を強くする名言」童門冬二=監修 成美文庫=刊