Episode No.959(20010921):今やる覚悟

「握りこぶしをつくっていたら、握手はできません」

こんな言葉を遺したのは・・・
イスラエル建国の立て役者のひとりゴルダ・メイヤだ。

メイヤは1969〜74年まで首相を務めた女傑。
首相在任中は、中東和平に尽力をそそいだが・・・
第四次中東戦争で中断をやむなくされた。

メイヤの強い精神力があらためて明かされることになったのは死後。
1978年に亡くなるまでの12年間・・・
白血病と闘っていたことがわかったのだ。

勇気をもって闘っている人というのは・・・
つまり、放っておけば怠けてしまうだろう、自分と闘っている人だ。

自分がやらなくても、いつか誰かがやってくれる・・・
そんな考えや態度でいたら、
いざ自分が病気になったとしても闘うことはできないだろう。

これまで生きた何年間・・・何千日・・・
それだけかけて、できなかったことが
明日からいきなりできるようになるはずはない。

今変えていかなければ状況は悪くなるだけで・・・
待っていれば事態は好転するなんて幻想もはなはだしい。

少しずつ積み上げたモノが、突然崩れることはあっても・・・
積んでいかない限り、永久に希望する場所へは届かない。

まだ花が開かないだけだ・・・と思っていたら大きな勘違いで
まだ蕾すらつけていないのかも知れない。

それに気づいて動けるのは自分だけ。
そして、それを阻むのも・・・自分だけなんだ。

言い訳は、しない、させない、許さない。

こんなことを言っていると・・・本当に自分の首を絞めることになるけれど
抱き合って沈んでいくよりは・・・マシだな。

メイヤの言葉をもうひとつ・・・

「私は自分の仕事が成功するかどうかと
 悩んだことは一度もない。
 それがすべきことだと思えば
 結果など考えず、ただ取り組んできたのだ」


参考資料:「20世紀を創り出した言葉」ペギー・アンダーソン=編 弓場 隆=訳 ディスカヴァー21=刊