Episode No.1034(20011218):誰にも作ることができないもの

今日、12月18日は、ストラディヴァリの命日。

ストラディヴァリといえば・・・
ヴァイオリンの至宝を作り上げた伝説の職人。

彼が93年の生涯をとじたのは・・・
今から264年前、1737年のこと。

ヴァリオリンのルーツは15世紀の楽器にある、といわれているが
その後、イタリアのアマーティ一族がそれを洗練させ・・・
17世紀になって、一族での最高の名人わいわれたニコラの弟子が
現在も残っているヴァイオリンの形を完成させた。

その弟子こそ、ストラディヴァリ。
つまり、ストラディヴァリがヴァイオリンの創始者である
と言っても過言ではない。

ストラディヴァリは、600を超える作品を作ったといわれ・・・
現在も残るストラディヴァリの名器は
何億円という価格で取り引きされている。

私はヴァリオリンに詳しいわけでもないし
楽器の善し悪しなどと、とてもじゃないがわかからない。

ただ、ちょっと興味はあって・・・
上海製のヴァイオリンを1万円のセットで買ったことはあるけど。
一度、思いっきりいじってみたかったからね。
教本ビデオも買ったけど・・・
音さえ合わせられないまま、物置に眠っている。

考えてみると不思議なのは・・・
これだけ技術が進歩しているにもかかわらず
何故、260年以上前に作られたモノが「最高」と言われるのか。

もちろん、骨董的な価値もあるだろうが・・・
どうも、それだけではないようだ。
260年前より、はるかに優れた工作機械や測定器もあるだろうに。

ストラディヴァリのレベルになると
もう職人を超えて芸術家

芸術品というのは、そういうものなのかも知れない。

その人でないと作ることができないもの・・・。
そうなると凡人とはかけ離れた世界の話に聞こえるかも知れない。

でも・・・あるんだよ。
それをどれくらいの人が知ってくれるかは別にして
その人でないと作ることができないもの・・・。

それは・・・自分の人生だ。


参考資料:「歴史の意外なネタ366日」中江克己=著 PHP文庫=刊