でじたけ流 教育論626「家族の距離」
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20120805

でじたけ流 教育論626

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大学生の長男が東京で暮らし始めたので、
横浜にある自宅を挟んで、
東は東京、
西…というか南は伊豆の秘密基地と、
鍵さえあれば泊まれる場所が三つになった。

こんな書き方をすると、
ものすごく贅沢な暮らしをしているようだが、
田舎から出てきて人は、
もともと別荘を持っているようなものでしょ。
それに、
普通にホテルや旅館を予約して過ごす方が、
はるかに贅沢だと思う。

草刈りもしなくていいし、
トイレのレバーが壊れても
自分で直す必要はないし、ね。

それでも自前にこだわるのは、つまり、
ホテルや旅館を予約するのが面倒なのと、
そういう予定がなかなか立てられない立場だから。

ともあれ、伊豆はいいところだし、
都内に泊まれる場所があると、
反対側の埼玉にいる友達ともゆっくり吞めていい。
せいぜいこの環境をエンジョイすることに務めよう。

この環境をエンジョイしているのは、
何も私だけではない。

最近はカミさんも
友達と一緒に平日、伊豆に行ったりすることがある。

横浜の家は、すぐ隣が私の実家。
姑に対して草刈りというのは実にいい口実にもなる。
これが旅行だったら…なかなか行けないだろう。

先日など、
長男は東京、カミさんは伊豆で、
部活がある長女、次男と私は横浜…なんてこともあった。

最もうちの親戚じゃあ、
叔父さんが外交官、息子は商社マンなので、
長男は日本、次男はブラジル、両親はドイツ
…なんてパターンもあるから
決して驚くほどのことはないだろうけど、ね。

以前、テレビのクイズ番組で
江戸時代の暮らしについてやっていて…
ストレスを抱える現代人にとって、
今こそ必要な江戸時代の制度は何か?
…という問題を大学教授が出していた。

答えは…参勤交代。

確かに移動は大変だけど、
移動しなければならないが故、ケジメがついたり、
結果、気分転換になったり。

部屋の模様替えをする効果と同じだが、
考えようによっては、
部屋の模様替えをするより案外気軽かもしれない。

また、それぞれの人生を自分で歩み出した家族が、
適度な距離感を持つことも必要だろう。

この間、都内で呑んで、長男のところに泊まったが、
結構いろんな話をした。

これはしょっちゅうウチにいるとなると、
何かにつけて小言ばかり増えて、お互い嫌気が差す。

同じように夫婦にとっても、
時折違う環境に身を置くことは、
いいガス抜きになってる感じがする。

で、私もよく独りで
下田あたりをブラブラしているわけだが、
そこでいい景色を見つけると、
今度は家族で来よう…と素直に思えて来るのだ。

家族に限らず、人間同士は歯車と一緒で、
あまりくっつき過ぎると回らない。

適度な隙間があってこそ…力を伝えられるんだよな。

うまく力が伝わらないと言って、
隙間もないのに強引に力ばかりかけてると
…どっちかの歯車がはじけたりするから。

そうは言っても時々ぶん殴っちゃうけど、ね。

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