20100620
でじたけ流 教育論第516回

怖さを知って進む-でじたけ digitake.com


カミさんが珍しく外泊した夜。

…こんな時に限って
小5の次男が熱を出す。

カミさんがいないことはわかっていたから、
早めに帰ろう、と思っていた矢先、
中2の娘から電話で知らせが入った。

帰ると、情けない顔をして寝転んでいる次男。

おかゆを作って、食わせ、
風邪薬でも飲ませて早く寝かせようとするが
…食欲もない様子。

そんなことじゃあ病気に負けちまうぞ
…とハッパをかけると、
病気なんだから怒鳴るなよ
…的なことを言出すのは高2の長男。

てめぇは何も面倒みないくせに口出しするな
…と一喝して、とにかく次男を布団に寝かす。

空きっ腹に解熱剤を飲ませるのもナンなんで、
コンビニに「熱さまシート」を買いに走る。

頭を冷やしても意味はない、と
昔、小児科の医者に言われたけど、
梅雨に入ったとたんの熱帯夜だし
…まぁ、気休めにはなるだろう。

とりあえず次男は落ち着いて寝入る。

しかし…蒸し暑いな。

自分でも「熱さまシート」を貼ってみる。
別に熱がなくても、ひんやり涼しく気持ちいい。

スキンベッドの頭に
縦に貼り付けると…
まるで白髪のモヒカンのようだ。

この程度のことじゃあ、
うちの家族は誰も笑わない。

次男が熱を出してる時に
…ってことじゃなく、
この程度のことには、みんな慣れてるから。

かと言って、
このまま外へ出たら、
笑われるより先に…怖がられるだろう。

翌日…
「おなか空いた」と言って起き上がった次男は、
夕方までにはすっかり復活。

親の方は、どんよりとした疲れを引きずりながら
…また仕事に走る。

家の仕事と会社での仕事は、
太陽と月、肉と野菜、みたいなもので、
どちらか片方だけというわけにはいかないもの。

こっちをやってるから、
こっちはやらなくていい…というわけにいかないから
バランスが必要で、
バランスをとれるようになると、
ようやく大人の仲間入りができる。

自分のことだけ考えていればいい時代は
懐かしくもなるけれど…
結局、それだけでは
何ひとつできていなかったこと知るのは、
かなり後になったてからのこと。

たいていの人は
自分の子供を持つことで、
思い知ることになるもんだろう。

本当に自分がやりたいことができるのは、
それを知ってから
…どこまで覚悟して進めるか、だ、な。


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