20040711
でじたけ流 教育論

第208回
心はロへの道


プロの何者かになりたい一心で・・・
プロとアマの違いは何か?
・・・ということについて
よく考えてみたりしているけど、
プロの大人ななることは
親になることと
非常に似たところがあると思う。

プロ・・・という言葉の響きには
個性のある、独立した、
特別な技術を持った、
そんな感じがある・・・が、
それだけなら
アマチュアの中にもいる。

一番の違いは
客先なり何なりといった
相手がいることだろう。

個性のある、独立した、
特別な技術を持って
自分が満足することを考えるのが
アマチュアで・・・
個性のある、独立した、
特別な技術を持って
他人を満足させるのがプロじゃないか?

つまり・・・
プロほど、自分を捨ててる。
ちょうど
親が子供のために
自分を捨てられるように、ね。

個性や特別な技術より何より、
心の置き場所が
プロとアマの違いだろうな。

一流の役者ほど、役になりきって
演じている役以外のものは見えない。
寅さんは、間違いなく寅さんで
渥美清じゃない。

この間、久しぶりに会った
同級生の女友達はピアニストをしていて、
こんなことを言っていた。

「譜面を読んでいるように聞こえる
 演奏はダメよ」

確かに・・・役者で言えば
台本を読んでいるように聞こえる
セリフまわしは下手としか言いようがない。

寅さんのセリフまわしは
書かれていることにもかかわらず
今、その時、口をついて出た言葉に聞こえる。

そして・・・
それは聞かせる相手のことを
一番に考えた訓練の結果だろう。

自己実現をするために
自己主張ばかりを繰り返すのは
アマチュアというより、むしろ子供。

自己実現のために
自己を捨てるという
一見矛盾した考えを納得するには・・・
まず、
相手の笑顔に喜びを覚えることだ。

子供が喜ぶ姿を見て
嬉しく感じることができる人になら
・・・きっと、できるよ。


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