第17回 いじめられない性格をつくれ! |
娘のお弁当には気をつかう・・・と、いつもカミさんが言う。
うちのカミさんは3人姉兄の歳の離れた末っ子。 育児にはすっかり慣れた母親に育てられたが、友達の母親に比べたら自分の母親の年齢はずっと上。 子供に持たせる弁当の栄養に対する配慮はされていたが、見栄えはかなり適当になっていたようだ。 男の子なら、そんなコトを気にもとめないだろうが・・・やっぱり女の子は違う。 うちのカミさんは若いお母さんたちが作る見栄えのいい友達の弁当がうらやましかった、という。 そこで自分の娘の弁当には気をつかっている・・・という話。 そういえば私が中学の時・・・毎日、隠すように弁当を食っているヤツがいた。 男だったんだけどね。 いじめっ子の私としてはヤツの腕を強引にひっぱって、弁当を見る。 すると・・・毎日、おかずがまったく同じ・・・ソーセージとゆで卵。 私といっしょになって、いじめに参加していた奴の中には・・・ 「おまえのお母さんに料理教えてやりてぇよ」なんて言う奴までいた。 ひょっとすると、そいつには母親がいなかったかも知れないし・・・ 仮にいても家庭の事情で朝早くから働きに出ていたとか、病弱だったとかで・・・ 毎日、そいつの弁当は自分で作っていたか、それとも年老いたお爺ちゃんか誰かが作っていたかも。 今さら後悔してもはじまらないけれど・・・今、考えるとずい分、ヒドイ仕打ちをしてしまったモンだ。 あいつ・・・今ごろ、どうしてるかなぁ。 きっと、今でも思い出す度に目に涙があふれるくらい、悔しいだろうな・・・。 それをバネに偉くなっていてくれれば、いいんだけれど・・・。 ただ・・・ 仮に同じ条件下にいても、いじめられてしまう奴とそうでない奴はいると思う。 いじめが決していいコトだとい思わないけれど・・・ 子供だろがオトナだろうが、どんな世界にだっていじめはある。 あいつが弁当を堂々食ってるような奴だったら、誰もいじめなかっただろうし・・・ 性格によっては自分のおかずが少ない分、人のおかずに手を伸ばして、逆にいじめてたかも知れない。 いじめっていうのは、環境とか状態が決めてるんじゃなくて、やっぱり性格が決めているような気がする。 自他ともに認めるいじめっ子だった私を例にとれば・・・ 背は小さいし、小さい当時は家も狭かったし・・・ 少しばかり絵を描くコトが得意だった程度で、いじめられる要因はたくさんあった。 むしろ、人より得意なコトがあった分、いじめられやすかったかも知れない。 でも、私はいじめっ子だった。 自分より体が大きな奴2人に囲まれたら、そいつらより体が大きな奴を3人呼んできてやっつけた。 田中角栄が日中国交回復問題で悩んでいた時・・・ 側近だった大平正芳らが問題点を整理して「どうしましょう」と詰めかけてきたのに対して・・・ 「おまえら東大出てるんだから、少しは自分で考えたらどうだ!」と一喝したっていう話があるけど・・・。 知恵っていうのは、知識や体力に勝るんだよなぁ。 そして、知恵があるかないかを決めるのは環境や状態ではない。 やっぱり「勝ち癖」がついてるかどうかどた思う。 最も私が得意なのは、悪知恵ばっかりだったけど・・・ね。 いかに子供と言えど、性格は簡単に変えられないかも知れないが・・・ 知恵のあるなしは後天的なモノだから・・・訓練次第で身につけるコトは充分可能だろう。 結婚して9年が経った。 仕事を終えて自宅の玄関に入ると、まず感じるのが・・・玄関に並んだ靴の多さだ。 何せ子供たちの靴は、すぐにサイズが合わなくなってしまうから、数がやたらと増える。 リビングに入ると子供たちが、たかって来る。 「おかえりー」の後は、長男と長女では言うコトが違う。 長男「何かおみやげないのー?」 そして、たいてい私やカミさんに「毎日、あるわけないだろ!」と怒られる。 長女「今日ね、お弁当残さず食べたんだよー」 そして、よしよし・・・と。 これも、生まれながらにして持った・・・女の知恵か? |
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