Fictional Talk No.046(000507)
架空対談 宝とは
M「すばらしい出来ですなぁ」
P「そうかね? でも、まだまだ・・・」
M「いやいや、たいしたもんだ」
P「あ、お帰りですか?」
M「いや、もうちょっと近づいてジックリ拝見しようと・・・」
P「ああ、そうですか。・・・狭いですから気をつけてくださいよ」
M「本当に、どこもかしこも作品だらけで」
P「もう面倒だから、また新しいアトリエに移ろうと思っているところで」
M「そりゃ、金がかかりますな」
P「金? かかるでしょうな。ま、構わん。一枚売ればいいんですから。一枚売って100枚描ける場所に移る・・・その繰り返しで」
M「ほぉ〜。これなんぞ、おいくらくらいします?」
P「さぁ〜、わかりませんな。ほしい人に聞いてください」
M「そりゃ、いけません。物には定価というものが必要ですわ」
P「しかし、これは量産品とは違う」
M「私が商売で成功したのは、誰もが考えつかなかった定価をつくったからです」
P「別に商売で成功しようなんて思っとらんし」
M「でも、もっと広いアトリエは必要でしょ?」
P「いや、アトリエが先じゃない。作品に向かう気持ちが先だ」
M「そんなこと言っても・・・あ! 何です? これは!!」
P「ん?・・・お、放し飼いにしていたみみずく・・・」
M「みみずく?」
P「こんなところで死んでいたとは」
M「・・・・」