ACT-01-5/5

■サービスとは工夫である

どんなことであっても「行政から言われているから」と言われると、とにかくカチンと来る。
「じゃあ、このホテルは国立なのかよ?」と言いたくなる。

とどのつまりに「見なかったことにとます」なんて恩着せがましいことを言うが、それって「ウチでは一切、責任を負いません」ってことじゃないか。
客が勝手に食中毒になったら、それは仕方ない、ウチには責任ありません・・・って言いたいのか。

このホテルの場合、ルームサービスは24時間行われていない。
しかも、その内容は酒のつまみ程度のもの。
少なくとも部屋に置かれた案内には、その程度のことしか書かれていなかった。

子連れの客が多ければ、こんなことはしょっちゅうあるに違いない。
確かに「利用規約」には「レストランから食事は持ち出さないでください」と小さな字で書かれているのを見つけたが、そのかわりになるサービスを提供できなければ、どう考えても片手落ちだ。
夜になって市街にちょっと買い物に行ける・・・という場所に、このホテルはないんだから。

旅行から戻って、都内の某一流ホテルに勤務する後輩のところへ電話をかけた。
熱海での一件を話して意見を求めた。

彼いわく、確かにホテルでの食中毒は死活問題。それを避けるために、持ち出し禁止にするのは当然のことだが、そのフロア担当の言い方はマズイと思う・・・とのこと。
彼が勤務している都内のホテルではルームサービスが24時間体制なので、とくに問題はないし、客層も違う。

ただ、ホテルは絶対に持ち出し用の容器を準備しているものだ・・・という話も聞いた。
外国のレストランなどでは「犬に持って帰りたい」というシャレた言い方があるようで、実際には自分たちが食べるために詰めさせることも少なくないそうだ。

だから今回の場合も自分でタッパウェアに詰めるのではなく、こういうわなので詰めてほしい・・・と言ったら、多少対応は違っていた・・・かもしれない。
が、それも規約外のことになるので、どうかわからないし、そこに宿泊していて「犬に・・・」という暗黙の了解も使えないし・・・。

行政の指導と客のニーズの間に立っている職業であれば、やはりその間を取り持つ工夫は、やはり必要不可欠。

例えば、腐りにくいものだけを詰めて、こちらから呼ぶまではレストランの冷蔵庫で保管してくれるだとか、子供用だけでいいから24時間、軽食でも持って来てくれるサービスを行うとか・・・方法は、いろいろあるだろう。

いくら夏場は難しい・・・と言っても、夏暑いのは今年始まったことじゃないし、コンビニだって夏場でも弁当は売っているのだから。

言い訳ばっかりで、工夫できないっていうのは「無能の証明」・・・だよな。
何せ、ホテルにバカンスに行って、対応が悪いために気分を壊すというのは、よくない・・・コトだ。

悪かったのは、たまたまそのフロア担当のその時の対応だけで、ホテル自体の姿勢はわからない。
だから今回、このホテルの名前を出すことは避けた。

しかし「行動するページ」としては、この全文をこのホテルの支配人に送って、ぜひ意見を聞きたいと考えている。

動きがあれば、またこのページで紹介しよう。


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