ACT-01-1/5

或るホテルへの疑問〜サービス業のあるべき工夫とは?
19990808


先日、珍しく家族旅行をした時に考えた「サービスとは何だ?」という疑問についての話。家族旅行中にも、こんなコトをつい考えてしまうのがdigitakeの性。例によって多少ウンチクを織り交ぜつつ、ご紹介。さて、あなたの御意見は?

■ホテルはサービスを売るところ

ホテル業は大変だ。

最近はコンビニも24時間営業が当たり前となっているが、ホテルや旅館こそ元祖24時間営業。
しかもコンビニと違って決められた物を売るだけではない。
ポットの水がなくなったと言っては客に呼びつけられるし、深夜に急病人が出ることもあるかもしれない。

宿泊客のために常に最善のサービスを尽くすことが、ホテルの役割。
サービスを売り物にしているサービス業なんだから、当たり前では・・・ある。

そもそも世の中にホテルというものが登場したのは、1774年というから今から225年も前の話だ。
場所はロンドン。最も日本の旅館というものは、もっと古くからあったかもしれない。

ホテルが誕生するまで、ヨーロッパでは旅行者は家具付きの部屋を借りるのが通例だった。
今で言う、ウイークリーマンションのようなものかな。
但し、滞在期間が短い時は、酒場の2階に寝泊まりすることが多かった。
つまり、宿泊は副業で、酒場で収入を得るのが正業だったワケ。

しかし、それでは家族連れには不適当なので、元髪結い師のデビット・ローという人物が、髪結いの仕事で磨かれたサービス精神を発揮して、家族連れで泊まることを念頭に置いて開いたのがホテルだった。

ちなみに日本で初めてのビジネスホテルは新橋の第一ホテル。
現在の第一ホテルは、ずいぶんと豪華なホテルになったが、もともとはシングルの部屋をたくさん作って、大阪から出張で来た人が寝台車の料金より安く泊まれる宿泊料を実現したホテルだった。
考案したのは阪急の創始者、小林一三である。

とにかくホテルは客に奉仕することを目的に作られた空間だ。

どんな仕事であれ、客がいてこそ成り立つのが商売。
そういう意味では、どんな仕事でもサービス業と言える。

そのサービス業の元祖、ホテルの対応を見ていくと、どうすれば客が満足してくれるか・・・ということも見えてくる。


Back Next