THE THEATER OF DIGITAKE

創作ノオト Vol.1


創作ノオト(19990822)

童話を書いてみたいっていう願望はあったんだ。子供に聞かせられるハナシをね。あとは普段のページでは表現しきれない創作的な想い・・・みたいなモノもあって。それで「創作童話」コーナーを作ってみたワケ。

最初の週一特別編である「架空対談」も創作的な要素はあったけど、間違ったコト書けないでしょ。実在した人物の言葉だから。より自分が表現したいコトをカタチにしようとすると、キッパリと「創作」って割り切る必要があった。それに「架空対談」に要する資料収集の時間も結構大変だし・・・。

「創作童話」をやりはじめた時点では、いつかはカタチにしてみようと思っていたアイデアが、いくつかあったからね。比較的、書きやすかった。出来、不出来はともかくとして・・・。

ところが書き進めていくうちに、だんだん童話というには無理のあるモノになってきちゃった。それも「大人のための童話」と、こじつけるコトは出来なくはないだろうけど。ヘンに幅をせばめるのもどうかと思って、6回目からはこういうカタチに変えることにした。

それと、もうひとつ。書き進めていくうちにわかってきたコトなんだけど、物語の表現の仕方に、ものすごく昔のクセが出ているコトに気づいた。昔のクセっていうのは、学生時代に書いていたシナリオ。8mmフィルムで自主制作映画を作っていて、シナリオも自分で書いていた。

一時は通信教育まで受けて、かなり入れ込んでたんだ。朝から晩まで、まともに学校にも行かずに書いていた時期もある。

シナリオというのは基本的に「場面」と「ト書き」と呼ばれる登場人物の動作と、そして「セリフ」によって構成されている。

同じストーリーを追っていくモノでも小説と決定的に違うのは、抽象的な観念の世界が描けないコトだ。映像という具体的なモノに置き換えることが前提だから、当たり前のハナシなんだけど。

例えば、小説などでは「彼は確かに、自分の心が翼を持ったことを感じた」とかなんとか、作者特有の比喩表現がでてきたりするけれど、シナリオでじゃあ、そんなコトは書けない。どんな絵にしていいのか、わからないからね。CG使って、その通りの絵を作っちゃったら、何かテーマが変わりそうだし。

登場人物の性格づけについても、シナリの場合には「どんなクセがあるか」といったことで目に見える表現が求められる。

そういうコトを思い出してみると、今まで書いている物語はシナリオに近い。最初から映像で物語を考えていて、すでにカット割りされているような感じだ。

まぁ、どっちがイイ悪いということも言えないとは思うが・・・。で、デジタケ座というカタチにしてみたワケ。

カット割りどころか、本当のことを言うと、書いている時点で配役まで決まっていることも多い。いっそ配役まで書いてしまおう・・・と思ったのが『100円ライター』という話。

もちろん、作者が勝手に決めた配役だから、本人とは何の関係もないけれど、配役された人を頭に描きながら読むと、少し面白さが増すかもしれない。・・・そんな試み。


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