THE THEATER OF DIGITAKE 初めての不倫旅行7 14/14 |
■妻の逆襲 「30万?! 何だよ、それ?」 茶碗と箸をテーブルに叩きつけるように置いた宮田は、思わず立ち上がってしまった。 「30万なんて・・・おい! ウチのどこにそんな物を買うのに30万も払う余裕があるんだ? え?!」 妻はシッカリと水晶玉を抱えたまま言った。 「ローンで買いました。・・・あなたには迷惑かけませんから」 宮田は妻に近づきながら、だんだん声が大きくなる。 妻は、やや後ずさったが、宮田が絶対に手をあげる男ではないことを知っていた。 「ローンで買おうが何だろうが、みんな俺が稼いできた金から出てるんだろう?! 俺は認めんぞ! そんな物に30万も出すなんて。俺は絶対に認めん!!」 黙って宮田の言葉に耐えていた妻は、突如、宮田の顔をキッとにらみ返した。 「あーそーですか!! みんなあなたが稼いだお金ですものね。だから、自分だけは私にないしょで携帯電話なんか買えるんですよね! 何のために使ってるんだか知りませんけど!!」 シマッタ! と宮田が気づいた時には、もう遅かった。 今度は宮田が後ずさりする番だ。 「・・・いや、夕べのアレは誤解なんだ。本当に」 「何が誤解なもんですか! ちゃんと料金の明細書が届いてたじゃないの!!」 「だからアレは木下のところでモニターとしてだな・・・」 宮田はすでに隣のリビングまで押されている。 「じゃあ、あなたの部下が乗り込んできたのは、どーゆーわけよ?」 「アレもまったくの誤解で・・・。ヤツなんか今日、お詫びのしるしだなんて言って丸坊主にしてきて・・・」 「じゃあ、あなたも丸坊主になったら!!」 妻はそう言うと、ダイニングとリビングを仕切る引き戸をピシャッと閉めた。 明かりのついていなかったリビングは真っ暗闇になった。 |
・・・be continue.
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