THE THEATER OF DIGITAKE


初めての不倫旅行-7 宮田浩一郎■長塚 京三

宮田裕美子■田中 裕子

三村しより■石田ゆり子

の主婦 ■藤田 弓子

謎の占い師■
美輪 明宏     

宮田良樹■???

柳 俊雄■柳葉敏郎

岡崎■イジリー岡田

OL3人組■パフィー&山口もえ

木下の愛人■安西ひろこ

以上、作者による勝手な配役


■度胸・・・転落

いつの間に、こんな場所に来てしまったんだろう?

宮田浩一郎は狭い足場から腰をひくようにして、下をのぞき込んだ。
地面まで20メートルくらいはある。

「課長〜! 頑張って〜!!」

三村しよりの声が、かすかに聞こえた。
米粒のように小さな姿が小刻みに手を振っているのがわかる。

足下に目をやると、太いヒモで巻かれた両足。
・・・バンジージャンプの台なんだ、ここは!!

冗談じゃない・・・そう思って階段を探す宮田だが、またも三村の声が耳に飛び込んできた。

「課長〜! ステキー!!」

今の言葉は? ステキ? それとも・・・好きよ?
宮田は耳をこらしたが、もう何も聞こえない。

さぁ、ここまで来て後へは引けない・・・男として。

宮田は度胸を決めた。
ベッコウの眼鏡をはずし、わきへ置く。

が、念のため、そばにいた係員に尋ねてみる。

「このヒモ・・・本当に大丈夫なんだろうね?」

深々と野球帽をかぶった係員はうつむいたまま答えた。

「・・・さあ?」

はずした眼鏡をあわててかけ直した宮田は係員に詰め寄った。

「さあって何だよ? さあって言うのは? え?! キミ」

係員はゆっくり宮田の顔を見た。

「・・・柳クン! 何でこんなところに?」

柳は右手に持った大きなハサミをジャキンと鳴らすと、左手で宮田の肩を思い切り押した。

「柳!! やめろ〜」

宮田の体が宙に浮いた。


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