THE THEATER OF DIGITAKE 初めての不倫旅行6 8/12 |
■柳と岡崎 夕暮れの街。浮かぬ顔で歩く柳を先導する岡崎のスキップは止まらない。 「ね、ね。どうする? まず、パーッとメシ食っちゃってサ。で、行くか? 行くか?」 「おい、岡崎・・・その店ってメシ食えないのかよ?」 「またぁ、ヤボだなー。60分4,000円、追加料金なし! 巨乳ぞろいだっての!!」 柳は立ち止まって顔をしかめた。 が、腹が減ってるのも事実だ。とりあえずメシは食いたい。 「そこ、どう? そこの牛丼屋」 岡崎は柳の表情など、おかまいなしだ。すっかり気持ちはアッチに飛んでいる。 岡崎が指さす牛丼屋の方を見た柳は、自分の目を疑った。 今、店を出た2人は・・・間違いなく宮田課長と三村だ。 硬直したまま、2人を目で追う柳。 2人は柳の方に気づく様子もなく、そのまま通りへ出て、タクシーをつかまえると走り去って行った。 柳の頭の中は、すっかり真っ白になっていた。 「どうしたの? 柳ちゃん?」 岡崎にポンと肩を叩かれた柳は言った。 「岡崎! 酒だ。酒飲みに行くぞ!!」 「酒? ははぁ〜、酒でも飲まないと恥ずかしくて巨乳ちゃんに会えないってわけ? 柳らしいや。・・・ま、いいでしょ、とりあえず一杯」 岡崎が話かけている間に、柳はさっさと歩きだしてしまった。その表情はけわしい。 「おい、待てよ、柳〜」 今度は岡崎が柳を追っていく格好になった。 |