THE THEATER OF DIGITAKE


初めての不倫旅行-5 宮田浩一郎■長塚 京三

宮田裕美子■田中 裕子

三村しより■石田ゆり子

宮田良樹■???

裕美子の妹・世理子■中森明菜

柳 俊雄■柳葉敏郎

OL3人組■パフィー&山口もえ

以上、作者による勝手な配役


■いっしょに笑おう

宮田浩一郎は、落語が好きだ。

とくに好きなのは、しん生をはじめとする古典落語だが、立川談志も嫌いではない。
単純に言って、笑うことが好きなのだが、最近のテレビのバラエティ番組には、どうも笑えなくなってきた。

お笑いは好きだが、若者好みのバラエティが苦手・・・という点で、落語愛好家は何だかおカタいイメージに見られている。
妙なモノだ・・・と宮田は思っていたが、あえてそのギャップを埋めようとするワケでもなかった。

ただし、本当に面白いことがあると、他人にもその面白さを伝えたいのが人情。

その日もテレビの落語番組に大爆笑した宮田は、妻や息子にそれを教えたくなった。

「おい! 見て見ろよ。面白いぞー!」

ブラウン管から目を離さずに宮田は叫んだ。

「おい! おい! これ、これ!!」

しかし、家人の返答はない。

やがて、テレビからは「お後がよろしいようで」という落語家の挨拶と同時に景気のいいお囃子が流れてきた。

「何だ、誰もいないのか?」

テレビの前から立ち上がった宮田は、台所から2階まで、くまなくのぞき歩いた。
・・・妻や息子の姿はない。

いったい、どこに行ったんだろう・・・と思っているところへ玄関のチャイムが鳴った。

てっきり家族が帰ってきたものとドアを開けると、そこには三村しよりが立っていた。

「課長・・・入ってもいいですか?」

うつむきかげんで迫る三村。たじろぐ宮田。

「い、いやぁ。ど、どうしたんだ三村クン?!」

「入れてください・・・私を」

「うん、イヤ、それは・・・」


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