THE THEATER OF DIGITAKE |
宮田浩一郎■長塚 京三
宮田裕美子■田中 裕子 三村しより■石田ゆり子
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宮田良樹■??? 木下の妻■飯島 愛 木下の愛人■安西ひろこ 電気屋の店員■柳沢慎吾 以上、作者による勝手な配役 |
■Saturday Night みなとみらいのイルミネーションを一望するホテルのラウンジバー。 このあたりは週末となると、どこも混み合っているが、宿泊客しか入ることのできないこの店は、ゆったりとしている。 特別な店の最も見晴らしのいい席に腰をおろした宮田浩一郎は、グラス越しに外をながめていた。 いい気分だ。 そして、今よりもっとステキな気分にひたれる長い夜が彼を待っている。 静かに流れる生演奏のピアノの音。 その静けさを台無しにしてくれたのは、後ろの席から聞こえてくる携帯電話の呼び出し音だった。 ヤボなヤツがいた者だ・・・こんな場所で・・・。 宮田は以前、この店で旧友の木下が同じように携帯を鳴らしていたことを思い出した。 しばらくして、宮田の内ポケットが静かに振るえた。 携帯のバイブレーション・コールだ。 済ました顔で内ポケットに右手を差し入れた宮田は、電話に出る。 「・・・私だ。・・・うん、待ってる」 何事もなかったように携帯を内ポケットに戻すと、彼は再びグラスを手にした。 時は静かに流れていく・・・あわてる必要はない。 ゆったりとした気分で深く腰を下ろしていた宮田の目に飛び込んできたのは、ガラスに映った白いカクテルドレス。 振り返った宮田は言った。 「今夜もキレイだよ・・・三村クン」 肩まで露出した三村しよりは小さな声で答えた。 「・・・しよちゃん・・・でしょ?!」 ニッコリ笑った宮田は、三村を自分の隣へとうながした。 と、その時、再び内ポケットが振るえた。 電話に出た宮田の耳に飛び込んできたのは・・・。 |
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