THE THEATER OF DIGITAKE
彼女のハンカチ 4/4


■ボクの答え

ボクは思い切って聞いてみることにした。

「・・・なぁミウラ。本当は今日何でここに来たの?」

鳩に右手を差し出していたミウラ ヨリコの動きが止まった。

「やっぱり不自然だったかなぁ?」

「・・・そりゃあ・・・ちょっとね」

ミウラ ヨリコが勢い良く立ち上がったせいで、まわりの鳩たちがビックリして一斉に飛び立った。

「ゴメンね。だますつもりじゃなかったんだけど・・・うまく言えなくて。・・・怒った?」

どう答えようか・・・ボクは迷っていた。
そりゃあ、こういう展開は男として決して悪い気はしないけど、タナカたちの術中にまんまとハマるのもシャクな感じた。

ソフトクリームを食べ終わったボクの右手には、まだミウラ ヨリコのハンカチが握られている。

「あの・・・ハンカチ、ありがとう。・・・洗って返すよ」

「いいの、そんな」

そんなミウラ ヨリコの必至な表情を見ていると、とたんにタナカたちの顔など吹っ飛んでしまった。

「いや、洗って返すよ。そのかわり、学校では返さない」

「え?」

「また今度の日曜日に返す」

そういうワケで、ボクはミウラ ヨリコとつき合うことになり・・・。
トイレから出るときには必ず手を洗うようになった。

end.

written by ● master@digitake.com
Copyright (C) digitake 1998-1999 All rights reserved.


"彼女のハンカチ"オリジナル・エンディングテーマ

作曲・演奏:digitake

MIDI data:32k MIME:audio/x-midi

Mac■Netscape Navigator 4.0.4、Netscape Communicator 4.5、Internet Explorer 4.5
Win■Netscape Communicator 4.5、Internet Explorer 5.0
動作確認済

※再生ボタンを押してから約1秒後に演奏が開始されます(どういうワケか・・・)。


Back■