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男は、ついにあっしの頭の方までやって来た。 しっかりと足場を確保すると、腰につけていたノコギリをはずして、テッペンの方から両脇に広がったばかりの枝にそいつを当てた。 「これからあっしは、まる坊主にされて、しまいに幹もバラバラにされるんだろうなぁ」とジッと目を閉じやしたよ。 どこが目かって? そんなこたぁ、どうでもいい。 ところが男はなかなかノコギリを引こうとしない。 それどころか、あっしの頭の方をなでてるんで・・・。 男がなでてたのは、あっしの古傷。そう、あの悪ガキどもにつけられたキズでさぁ。
男が何もしないで、あっしから降りていくと、2〜3日工事は止まったままだった。 |