Episode No.541(20000522):結婚は第2の人生のスタート 先日、テレビでファッション・デザイナー森英恵の人生について紹介している番組があ った。 ファッションには、まったく縁 のない私だが、ついつい引き込まれて見てしまった。 東洋人として唯一、パリのオー トクチュール協会に加盟している森英恵。 しかしデザイナーとしての出発 は意外と遅い・・・なんと結婚後だそうだ。 専業主婦として時間をもてあま した森は、服飾専門学校に通いはじめ・・・。 やがて友人と小さな洋品店を開 く。 その洋品店が映画関係者の目に とまり、日本映画の全盛期に数百本の映画の衣装を手がけた。 その頃、予期していなかった税 金の通知がゴッソリと来たのを見た亭主は、税金対策のために法人化。 自らが社長になり、デザイナー 森英恵をマネージメントするようになる。 日本映画の衰退とともに仕事が 減ってきた森だが、会社を組織した以上、簡単に辞めるワケにもいなかい。 単身パリにのりこんで勉強をし 直し・・・ついにはオートクチュール協会に認められるまでとなった。 数年前には、ファッション・デ ザイナーとしては初の文化勲章も受けている。 結婚 は人生の墓場だ・・・。 なんて言葉があるのをいいコト に、自らが墓穴を掘っている場合も多いようだが、やっぱりやる人はやる。 こんな話もある。 男は中央気象台観測課の課長を していた。 もともと山に興味があって気象 にも興味を持ち、こんな仕事に就いたのだろうと思う。 課長となる年齢になっても独身 だったところを見ると、女性に対してはかなり奥手。 と、言うより無頓着で不器用と 言った方がいいかも知れない。 やがて、親類縁者の薦めもあっ て見合いをし、その相手との結婚を決めた。 婚約時代の話、彼は生まれて初 めて彼女にラブレターを書いた。 しかし、受け取ったその内容を 見て、彼女は愕然としてしまう。 内容は、こうだ。 「東京は晴れ。気温摂氏10度。 北東の風5メートル。 ロビンソン風力計が春の日に 輝いてまわっている。終」 これが彼なりの喜びを真剣にあ らわしたモノなのだろうが・・・ほとんど冗談に近い。 幸い読書家だった婚約者の彼女 は、この文学的センスのカケラもない男に、自分が読み終わった文庫本を山のように 送った。 「この次にお目にかかるまで に、これを全部読んで勉強しておいてください」 という手紙をつけて。 2人は無事、結婚をしたが・・ ・後年、男は職を変えるコトになった。 男の名前は、新田次郎・・・職 業、小説家。
参考資料:「たけしの誰でもピカソ」テレビ東京 「有名人 ウソのような本当の話」ユーモア人間倶楽部=編 青春出版社=刊
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