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Episode No.377(991110):何をしに生まれてきたのか?

3年という時間は、長いか・・・それとも短いか・・・?

過ぎ去った時間は、つねに短く感じられ、退屈な時間は止めどもなく長く感じるモノではあるが・・・。
物理的にはつねに時間の流れは一定だ。

3年という時間を思い返すと、真っ先に出てくるのが、中学校時代と高校時代の3年間。
ハッキリとした区切りのついた3年間であると同時に、一生のうちでもおそらく一番多感な年代に違いない。

16歳から18歳くらいまでと言うと、我々に置き換えてみると、ちょうど高校時代にあたる。

その3年間に歴史に名を刻む偉業を成した男がいる。

しかし、彼にとってそれは我々と同様、単なる多感な時期における、ひとつのエピソードに過ぎなかった。
その後、彼は放浪の旅に出る。

彼の名は、アルチュール・・・ランボー。

フランスを代表する詩人。
だが、彼を詩人と呼ぶのは、実のところかなり極端な捉え方とも言える。
なんせ文学生活は、一生のうち、わずか3年しかなかったのだから・・・。

わずか3年のうちに残した作品が、近代詩の確立に与えた影響は確かにはかり知れない。
ゆえに彼は詩人と呼ばれている。

ランボーと言えば、詩人のランボーとはまったく関係ないが、映画『ランボー』シリーズを演じた
シルベスター・スタローンは、かつてインタビューでこんなコトを言っていた。

「自分が死んだら、新聞には"ロッキー死す"と書かれたい」

自ら脚本を手がけ、ジェームズ・カーン主演で映画化しようとした映画会社の企画を破棄させて主演の座を勝ち取り、アメリカン・ドリームを実現させた出世作『ロッキー』。
その作品に対する、彼の並々ならぬ思いが感じられる発言だ。

自分が死んだら、どんな形容詞をつけられたいか・・・。
その形容詞に見合うだけのコトをはたして自分はやっているだろうか・・・。

放浪生活の末、ランボーというひとりの男がマルセイユで死んだのは、108年前の今日・・・1891年11月10日。
37歳の若さだったが、筆を折ってからの彼にも倍以上の人生はあった。


参考資料:「今日は何の日」PHP研究所=刊
     「21世紀こども人物館」小学館=刊

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