Episode No.311(990825):ランドマークタワー・サイズ 実は、まだ観てないんだよね・・・『タイタニック』。 「これは絶対に劇場で観るべきだ」って、観た人たちにさんざん言われてたモンだから、劇場公開をのがしたら、やっぱりビデオで観る気がしなくて・・・。 だから休日にビデオを観るチャンスがあっても最近は『刑事コロンボ』ばっかり観てる・・・。 ついこの間、深夜のテレビを見ていたら「タイタニック展」のお知らせをやってた。 引き上げた遺品なんかを展示しているヤツ。 どこでやってるんだか詳しくは見なかったんだけど、紹介されていた展示物の中で「おっ!」と思ったモノがあった。 それは1枚のパネルで、タイタニック号のイラストがタテに描かれている。 すぐ隣に描かれていたのは、日本一の高さを誇る、横浜ランドマークタワーだ。 70階建てのランドマークの高さは、296m。 そして、タイタニック号の全長は、269m・・・30mと差がない。 これは、とてつもない大きさだ・・・とあらためて驚いた。 それを1分の1スケールでセットを作って映画を撮ったというんだから、確かに凄い映画なんだろうな。 タイタニック号の乗客乗員定員は3,547名だが、実際にあの悲劇の航海に出たのは、2,300名弱。 推定される犠牲者数は1,500名以上で、これまでに引き上げられた遺体は、わずか328名。 生還できたのは、705名・・・とされている。 しかし、映画のおかげでロマンチックなイメージが強くなったタイタニックに勝るとも劣らないドラマは、日本にもある。 昭和20年(1945)4月7日、持てる力を発揮し得ないまま悲劇的な最期を遂げた戦艦『大和』だ。 『大和』のデータを調べてみた。 全長は263mで、タイタニック号よりわずか6m短いものの、幅は38.9mでタイタニックの28mと比べると10m以上も大きい。 最初で最後の出撃の際の乗組員は3,332名。 うち5〜600名が海上の漂流者となった。 もちろん女性は乗り込んでいなかっただろうから、タイタニックのようなロマンスは生まれようもなかった・・・だろうけど。 超巨大な国家プロジェクト、戦艦『大和』建造の船殻主任をした海軍造船技術士官・西島亮二は、当時若干35歳。 「工員が重いものをかつぐ必要はない。鋲打ちは本業である鋲を打つ時だけ汗を流せ。無駄な汗はいっさい流すな」 こう激をとばした西島の徹底した合理主義で、『大和』は同じ図面をもとに作られた『武蔵』の総工数のほぼ半分で完成したという。 もし、戦艦『大和』の話が、また映画化されるようなコトがあったら、連合艦隊の悲劇を扱ったモノじゃなく、ぜひ"軍艦造りの名人"西島亮二伝を観たい・・・な。 そこには、きっと『タイタニック』とは違った感動があるはずだ。 最も『タイタニック』にも、まだ感動してないけど・・・ね。
参考資料:「日録20世紀 1937」講談社=刊 ほか
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