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Fictional Talk No.010

架空対談正義とは

C「しかし、たいしたお屋敷ですなぁ〜。この時計! ずいぶん、年代モノでしょう?!」

B「失礼だが・・・キミは?」

C「はぁ、申し遅れまして・・・。私、コロンボという、ロス市警の警部でして。殺人課の」

B「それは、ご苦労さま。・・・で、その殺人課の警部さんが何のご用で?」

C「聞いておいででしょう?! 最近、チンピラが連続で殺害されてる事件・・・そりゃアタシだって、こう言っちやナンですがチンピラ同志の殺し合いなんて、あんまり調査したかぁないですが、これも仕事でして。刑事なんて因果な商売です」

B「なるほど。しかし、この屋敷と事件現場とはずいぶん離れてるが」

C「はい、確かに。アタシも本当にチンピラ同志のケンカかなんかだったら、こちらにはお邪魔しません」

B「すると、チンピラのケンカではない・・・と?!」

C「その疑いがあるということです。実を申しますとね、うちひとつの事件現場が目撃されているんです」

B「ほう、それは初耳だな」

C「でしょう?! これは新聞にも話してないことなんで。あなたを街一番の慈善家と信頼してお話ししてます」

B「それは光栄・・・と言っていいのかな」

C「もちろんですとも。いかにご両親の遺産が莫大だったとは言え、なかなかできることじゃございません」

B「・・・で、事件現場で目撃されたものとは?」

C「それが、おかしな話なんですが・・・実は"こうもり男"なんで・・・」

B「"こうもり男"? そいつがチンピラを殺したというのかね?!」

C「はい。黒塗りの車に乗った"こうもり男"。その車が、このお屋敷の近くでも度々目撃されてます。黒塗りとは言っても、これが派手な車でねぇ」

B「コロンボくん・・・だったね」

C「はい」

B「ワインはどうかね?」

C「あいにく仕事中なんで・・・。それに車ですし・・・。ほぉ、こりゃ年代もののワインだ。・・・じゃ1杯だけ」

B「遠慮なくやってくれ」

C「いゃあ、実にうまい。それに、またグラスがいい。このグラスなんか、アタシの月給くらいするんじゃないですか? ウチのカミさんが食器に凝ってましてねぇ。いや、ウチにあるのは安物ばっかりなんですが・・・、こいつを見せたらきっと驚くだろうなぁ」

B「両親が好きだったんでね。ずいぶん集めていましたよ」

C「失礼ですが、ご両親は確か・・・」

B「そう、殺されました。私が、また幼い頃にね。物取りの犯行です」

C「チンピラにねぇ。・・・この胸像はお父上の?」

B「おっと、それには触れないでくれたまえ」

C「あ! 首のところが開いた!! 中のボタンは何です?」

B「あー!! 押すな!!」

C「もう、押しちゃいました。あれ〜? 本棚が開きましたねぇ。すごい仕掛けだ! この中の棒は・・・消防署にあるようなやつ。これは地下に続いてるんですか?」

B「・・・・」

C「ちょいと滑り降りてみて、ようござんすか? スイーッと」

B「・・・・」

C「ウエインさ〜ん!! たいへんな物を見つけちゃいました〜。"こうもり男"の衣装で〜す。何です〜、こりゃ〜?」

B「私の両親が殺された時にキミに出会っていれば、必要がなかったものだよ」


参考資料:「刑事コロンボ・シリーズ」
     「バットマン(TV版)」

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