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Episode No.298(990810):ほっとくだけが自然じゃないとは思うけど・・・

今年は本当に夏らしい夏だね。

ムチャクチャ暑いと思ったら、夕立があったり、夜中にドシャ降りがあったりして。
最もこれは関東地方だけの話で、九州や四国では大雨が続いて大変らしいけど・・・。

夏らしい夏に食べたくなるモノと言えば
アイスにかき氷、そして冷たく冷えたスイカ。
いずれにしても冷たいモノばかりだが「夏」という名称が付いている食べ物を思い出した。

それは、夏みかん。
この夏、夏みかんを食べた・・・という人は、はたしているだろうか?

いたら不思議。
と、言うのも夏みかんは温州みかんが盛りを過ぎた2月頃から出回り始めるのが普通で、3〜5月が出荷の最盛期。
つまり、春の食べ物なのだ。

だったら何故、夏みかんと言うのか?

もともと夏みかんは、秋に実をつける果物だった。
けれども、実が生ったからと言って、すぐにもいで食べようとするとスッパ過ぎて食べられない。
そこで、木につけたまま酸味がやわらぐのを待つ必要があった。

ようやく食べ頃になるのが翌年の初夏。
よって、夏みかんという名称が付いた。

ところが、せっかく実が熟してしるのを半年以上も放置しておくのは経済的ではない・・・という考えから、薬品を使って酸味を取り除く技術ができた。
その後、品種改良が進んで、現在では特別な薬品を使わなくても充分に甘い夏みかんが生るようになり、出荷時期は春先に定着。

だから正確に言うと現在あるのは、春みかん。
夏みかんは事実上、今はないのだ。

バイオテクノロジーは人々の生活を豊かにする一方で、どんどんと自然の法則を変えてゆく。
たとえ人間の手によるものだとしても、そうした技術が生まれることが必然であれば、それも自然淘汰の範ちゅうか?

そういえば昔、理科の授業でこんなことがあった。
モノが腐るという現象について、2つの呼び方があって、その違いを先生に質問した。

答えはこうだった。
人間にとって利益があるものを「発酵」と呼び、不利益なものを「腐敗」と呼ぶ。


参考資料:「つい誰かに話したくなる雑学の本」日本社=編 講談社+α文庫=刊

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