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Episode No.216(990506):建物の高さより、志の高さ

観覧車がブームだ。
全国で世界一を競って巨大観覧車が次々と建設されている。

東京近郊では有明や横浜の大観覧車が人気。
横浜の観覧車は、横浜博覧会の時に建ったものではなく、その後、場所をやや移して建築された新しいものだ。

夜には、打ち上げ花火をかたどった巨大イルミネーションがまたたき、遠くから眺めているだけでも楽しい。

ただ、私は決して高所恐怖症というわけではないが「アレに乗ってる時に大地震が起きたらどうなるだろう」なんてことを考えたりしてる。

さて、力学的構造がそのまま建築美の領域に導入されたもの・・・といえば、真っ先に浮かぶのがパリのエッフェル塔。

1889年のパリ万国博覧会のために建設されたエッフェル塔が一般公開となったのが、今からちょうど110年前の今日、5月6日のことだ。
日本で東海道線が開通したのは、同じ年の7月のことだ。

鉄鋼造物時代の記念碑的存在ともいえるエッフェル塔は、完成した当時の高さは約312m。
第二次大戦後にラジオ・テレビ塔として使われるようになって、アンテナが加わり、320mとなった。

ちなみに東京タワーは、333m。
48階建ての東京都庁舎は、243m。
70階建ての横浜ランドマークタワーは、296m。
アメリカには、すでに400mを越える超高層建築物がいくつもある。

これに比べると
ギザのピラミッドは147mで何か小さい感じもするが、エッフェル塔と同様、まわりに大きな建築物がないせいか、ものすごく巨大な感じがする。
147mというと、ちょうど36階建ての霞ヶ関ビルと同じ高さだが、霞ヶ関ビルはもはや巨大ビル群の中に埋没している感じだ。

ところでエッフェル塔の名称は、設計・建築を手がけた、アレクサンドル・エッフェルの名をとったもの。

パリ・タワーとしなかったところに、エッフェルのパイオニア精神を讃えるパリ市民の気持ちが感じられる。


参考資料:「今日は何の日」PHP研究所=刊 ほか

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