週末には
ほぼ必ず…
そしてこの休みの間には
ほぼ毎日…
例の市民の森を歩いて会社に行く

季節とともに
その姿を変えてゆく自然は
繰り返し見ても飽きることがない

この季節になると
森の木々は
すっかり葉を落とし
曇天に向けて
鋭利な枝先を突き立てている
厚みを増した枯葉の絨毯が膝に優しい

聞こえて来る鳥や虫の声も違うし
陽の傾きによっても
作られる影の形は大きく異なる

箱根に彫刻の森というのがあるが
すべての木々は
世界に２つとない彫刻に思える

何度か通っていると
お気に入りの木というものが現れる

天に両の手を広げたような木は
伊豆大室山の麓にある巨木の
小型版のような感じ

１本の木から多数の幹を突き出す木は
まるで八岐大蛇のようだ

そうした迫力ある木には目を奪われるが
実は一番注目しているのは…
木の根元に空いた空間に
艶やかな緑色をした小さな二葉

この二葉に気づいたのは
もう半年以上前のことになると思うが

不思議なことに…
この二葉は
育つわけでもなく枯れるわけでもなく
いつまでも同じ形をしている

ひょっとしたら
この二葉がある空間だけ
時間が止まっているのではないか
…と思えるほど

今日もちゃんと二葉を広げているか
ドキドキしながら
それを見に行くのも楽しみのひとつだ

かつて伊豆一碧湖で
金色のヒレ長鯉を見つけた時にも
かなりハマって
望遠レンズまで買って追いかけたが
せっかく行っても
会えないことがよくあった

それに比べると
必ずそこにいる二葉は
期待を裏切らない

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