Episode No.6474(20190514)：[生活]Life

音の力
Nostalgic sound

懐かしい曲を耳にすると、
その曲を聴いていた頃の感覚が、
振り回したコーラの栓を開けた時のように
イッキに吹き上がってくる。

小説や映画を観ても、
そういう気分になることが
ないことはないが…

物語をみる場合、
年齢や立場によって
見方はだいぶ違ってくる。

子供時代に見た時には
主人公の子供と一緒の気持ちになって、
ドキドキハラハラしていたが…
大人になって見ると、
主人公の親に感情移入して、
ドキドキハラハラしていたりする。

アルバムの写真を見ても
確かに思い出は蘇るが…
恥ずかしさが先に立ち、
その頃の気持ちになるよりも、
客観的に歴史を検証している気分になる。

曲は何故、
その時の気持ちを蘇させるのだろう？

おそらく、
見る…という行為は
意識してするものだが、
聴く…という行為は
無意識のうちにしていること
…だからじゃないか。

無意識を刺激されることによって、
過去の無意識が呼び起こされるのだろう。

故人を思う時、
一番思い出すのは、
自分の場合…その人の声だ。

それも、同じようなことなのかもしれない。