少年時代を過ごした
東京都中野区江古田という場所は、
都会とはいえ結構、田舎でもあった。

ちょっと歩けば
練馬大根で有名な練馬区。
今はさすがにないと思うが、
45年前はまだ畑もたくさんあった。

住んでいたのは二軒長屋の都営住宅。

もともと田畑だった場所に家が建ったとみえて、
道幅が非常に狭い。

後に車を運転してその付近を走ったが、
小学校時代によく通っていた道を行こうとすると、
とても車が通れる幅ではなかった。

近所には変わった動物を飼っている家が多かった。

一番近くで変わった動物を飼っていたのは
テーラーをしていた家でペンギンを飼っていた。

よくペンギンに紐をつけて
ペタペタと散歩させているところを見た。

もう一軒、変わった動物を飼っていた家がある。

木造の家と塀の間、
１メートルに満たない空間だったが、
そこを全部網で囲い、たくさんの鳥を飼っていた。
その中に、なんとクジャクがいたのだ。

少し離れたペットショップでは、トラを飼っていた。

まさかトラを買いに来る人もいないだろうから、
客寄せに違いないが、
もはやペットショップというより動物園だった。

そのトラは大きくなり過ぎたせいか、
ある日いなくなってしまったが、
小学生たちの間では逃げ出したという噂がたった。

＞＞＞To be continued

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