三島由紀夫が、
30代の終わりか
40代に入った頃のインタビューで…

小説家は体力があるだけで、
ある程度のところまでいける。

…と言っていた。

最初にこれを聞いた時、
スポーツ選手でもないのに…と、
かなり違和感を覚えたものだ。

それが最近、
ある物語をかなり根を詰めて書いていて、
その意味をヒシヒシと感じてくる。

もちろん三島由紀夫ほどの知力体力はないし、
三島由紀夫も経験していない
50代に入っている…ということもあるだろう。

若い頃と比べ、
精神力によって自分を動かすことは、
ある程度できるようになっているものの
…精神力に体力がついて来ない。

無理矢理ついて来さそうとすると肉体が壊れる。

振り向くのもためらわれるような肩こりは、
まるで描こうとする敵役が、
それを書かせまいと乗っているようだ。

兎にも角にも筋肉を鍛え直さなければならない。

中途半端な足場しかなければ、
中途半端な建物しか造れない。