人に歴史あり
There is a history to a person
芝居で役作りのため、
役者に自分が演じる人物の
履歴書を作らせる…という話を、
かつて聞いたことがある。
こういう行動や言動をする人は、
どういう家族に囲まれて育ち、
どんな経緯で今に至っているのか…。
たとえそれが役名もない人物であっても、
台本に書かれていない、
その人物の人生を思い描き、身体に入れることで、
たったひと言のセリフまわしも変わってくるし、
例えば、
誰かが台本を忘れたり、飛ばしたりといった
アクシデントが起きても、
その人物なりの
リアクションがとれるようになっていれば、
芝居が大きく崩れることはないだろう。
歴史を解釈しようとする時にも
同じ事が言えると思う。
歴史に残されているのは、
実は出来事という“点”ばかり。
散りばめられた“点”は、時間軸に乗っていると、
あたかも流れのように見えるけれど、
その間にこそ、そこに関わった人々の苦悩と意志がある。
よく歴史上の人物は、
何をした人…と、ひと言で片付けがちだが、
歴史に残ったその行動の前後こそドラマなのだ。
歴史から学ぶべきは…
その人物がど何をしたか?
…でなく、
なぜ、そのようなことをしたのか?
そして、苦悩をどう乗り越えたのか…?
だから…人生、日々更新。