でじたけの「人生日々更新」「唐人お吉」が教えてくれたこと

Episode No.5057(20141103)[趣味]Hobby

「唐人お吉」が教えてくれたこと
What she told

今日は文化の日だね。

お吉さんに取り憑かれてというもの、
まるで受験生のように勉強をしてると思う。

学生時代と違うのは、
テストや受験のためという目的なしに、
好奇心のおもむくまま、
ひたすら調べを進めている…という点だ。

ゴールは、まったく見えない。

けれど、このところようやく、
いくつかの追うべきテーマが見えてきた。

ひとつは当然のことながら、
真実の唐人お吉こと斉藤きちは、
いったいどのような女性なのか?…についての探求。

お吉さんは約50年の生涯のうち、
ちょうど前半が幕末で後半が明治だったから、
庶民の幕末維新…についての研究とも言える。

そこには、お吉さんだけでなく、
時代の大波の中を逞しく生きた下田の若者たちの姿が見えてくる。

今ひとつは、
最初にお吉さんについてひっかかった
例の「19歳のお吉」偽写真問題。
はたして、あの少女は本当は誰なのか?…についての探求。

この写真は明治に入ってから
横浜で撮影されたらしいことがわかっている。
幕末、臨時の開港地だった下田が閉鎖され、
日本初の国際港として横浜が開港した後の
横浜外国人居留地…についての研究とも言える。

そこには、未開の地、日本でひと旗あげようと
世界各地から命がけでやってきた
ベンチャー野郎どもの雄叫びが聞こえる。

最後に「唐人お吉」の物語は、
何故あのように伝わったしまったのか?…についての探求。

村松春水以前、最初にお吉のエピソードを世間に流したのは誰か?
「唐人お吉」を日本全国に知らしめた作家、
川端康成のライバルだった十一谷義三郎とはいかなる人物か?
第二次世界大戦は「唐人お吉」の物語をどう変えたのか?
いわば開国の街、下田の昭和史…についての研究とも言える。

そこには、伊豆に魅了され集まってきた者たちと、
柔軟性とサービス精神にあふれた下田人の息吹が感じられる。

いずれもテーマは深すぎて、
話はあっちに飛び、こっちに飛び
…という感じになりがちだけど、
ある時、パシッと、
あっちの情報と、こっちの情報がつながる瞬間があって
…その快感がわすれられずにのめり込んでしまうんだよ。

むろん、いくら調べたところで、
すべての歴史が情報として残っているわけではない。

ただ、とくに人物を追求していくと、
次第にキャラクターがわかってきて、
たとえ間の情報がなくても、
あいつならきっとこうしたはずだ
…ということを感じられるようになってくるから不思議だ。

現代にも似たようなキャラクターを持つ人は、
たくさんいるから、ね。

人間はまったく進化していない。
進化しているのは道具だけ。

そして、しばしば人間は、
自分たちの作り出した道具に翻弄されている。
それは、いつの時代でもいっしょ。

つまり、人間の弱さも変わらない。
そして、強く生きようともがく姿にも変わりはない。

だから…人生、日々更新

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