「理想なんてないの、
　好きになった人が理想の人なの」

…と、つぶらな瞳を輝かせたのは蛍子。
田中裕子演じる『男はつらいよ』第30作
「花も嵐も寅次郎」のヒロインだ。

自分が描くことのできる理想は、
しょせん自分の想像の範囲内。

すべての感動は、
自分の想像がつかないものとの出会いである。

想定内のものなど、すぐ飽きてしまうし…
自分勝手に思い描いているものなど、
本当は世の中にないのかもしれない。

ないものは作ればいい…けれど、
ないものねだりしていることが、
夢を追うことではないだろう。

思いは半分くらい…。
準備ばかりしていないで、
現実とぶつかっていくことで道は開ける。

だから…人生、日々更新。

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