烙印
Brand.

食堂の店員たちは、
私はいつも腹をすかせている
…という考える。

呑み屋の店員たちは、
私を相当な酒好き
…と思っているだろう。

図書館の貸し出し係は、
もの静かに読書をしている、
…そんな私しか知らない。

毎朝、車で出がけに
顔を会わせる隣人は、
私を車に乗ってばかりいると思うだろうし、
スポーツジムのプールでしか会わない人は、
泳いでいる姿しか印象にないだろう。

子供の頃にしか会っていなかった人は、
私が大人になったなんて想像もつかないと言う。

まだまだ、たくさんの私がいるが、
…もちろん、私は一人しかいない。

そんな、しごく当たり前のことを、
他人に置き換えて考えるのは…どうも苦手。

あの人は、こういう人
…と決めつけないと落ち着かない。

どうせ、何したって
落ち着きゃしないんだ。

落ち着いたふりなどやめて、
目の前で動いているものをしっかり見よう。

だから…人生、日々更新。