名物の発見
Discovery of the Noted product.

物事が動いていく時というのは、
個人の、ちょっとした力が、
とてつもない大きな車輪を動かす最初の力となって、
ついには歴史を変えるようなうねりになっていくもの。
…だということは、
あらゆる歴史から学び取ることができる。

身近なことで言えば…口コミだって、そのひとつ。

食堂で、誰かが「旨い」と言い出せば、
メニューを見て悩んでいた人のうち何人かは、
「旨い」と言った人が食ってるものと、
同じものを食べてみたくなるもの。

…こうして名物ができあがる。

見方を変えれば、
名物自体には、何らの意志も主体性もない。

歴史や伝統を支えているのは、
今そこに生きている人たち…なのだ。

さて、名物まんじゅうであれば、それでいいし、
実際の味は食べてみればわかるから問題はない。

しかし、それが…
過去に存在していた意志を持つ人間
…となると、かなり話は変わってくる。

興味を持って
歴史関連の書を手に取るようになったのは、
つい最近の話だけれど…、
観光地で宣伝されている内容と
史実が異なっていることに
唖然としてしまうことが少なくない。

歴史は「あったこと」ではなく、
やっぱり今、生きている人たちが
「作り出していること」なんだと、あらためて思う。

名物まんじゅうと同じ扱いにされた
祖先たちは、何を思うだろう…。

今を作ってくれた先人に思いを馳せつつ、

だから…人生、日々更新。