Episode No.3837(20101210)：
くどい味

むか〜し昔、楚[そ]の国(中国)で、
“蛇”の絵を早く描く競争が行われたそうな。

一番に描いた者は余裕を持てあまし、
つい勢いで、蛇に足まで付け足して描いてしまった。

当然、蛇には足はない。
せっかく一番に描き上げることができたのに、
余計なことをしたため、
その者は失格とあいなった。

これが無用の長物を意味する蛇足の語源。

名曲は景色を想像させ、
名画は香りさえ感じさせてくれる。

優れた文章は、
何も書かれていない行間にさえ
思いが読み取れるもの。

伝えたいものは、
直接見せたり、聴かせたり、読ませたりするだけでは、
決して感じてもらえないもの。

説明すればするほど
本当に伝えたいことがボケてくる。

ソースをかけ過ぎたとんかつは
ソースの味しかしなくなる。

衣ばかりで肉が貧弱なのを
誤魔化すためにかけるのなら…確信犯。