Episode No.3659(20100518)
砂浜に残したメモ

記憶が飛んでしまうのは、
何も年のせいばかりではない。
若い人でも、
たった今言われたことを
忘れてしまう人がいる。

機能上の問題ではないだろうから、
使い方の問題だろうな。

メモもとっているはずなのに忘れる。

メモをとった時点で
覚えていると錯覚してしまう。

せっかくとったメモも
見直さなければ意味はないし、
しっかりとポイントを押さえた
メモをとらなければ
見返したところで何が何だかわからない。

これは「忘れっぽい」という
持って生まれた性格のせいではなく、
持って生まれたもののせいにする自分のせい
自分に対する訓練が足りないせいだな。

まるで、
砂浜に指で字を書いているかのようなもの。
次の波がくれば、すぐにかき消されてしまう。

波が来ない場所まで行って書いたり、
見直した時にわかるようキチンとメモることを
ついつい面倒がってしまう。

面倒…という気持ちが先立つから、
せっかく書いた内容も頭に入らない。

それでも周囲には
メモを走らす
真面目な自分を見せなければならないから、
とりあえず書く。

とりあえずしたことは、
次の波に簡単に流されてしまうことを
いつの時点で認識し、対処できるのかが、
その人の本当の真面目さだと思う。


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