昨日のM・ジャクソンの手品の話は、
私の周囲には知る人はいなかった。
大いに得意になったけれど、
この「謎」を知ったところで、
一瞬「なるほど〜」とは思うものの、
はたして幸せかどうかは…わからないな。
夢は夢のままでいる方が幸せなことがある。
知らないと不安だが…
知れば知るほど不安が募ることもある。
話はイッキにエンターテイメントから
身近な現実となっている介護の話になる。
三好春樹さんという介護アドバイザーがいる。
まったく知らなかったけれど…
知人が「この人の講演は面白い」というので、
介護施設のパートをしているカミさんへ、
地方の放送局で流れていた
その講演を録画して送ってくれた。
「ためになる」のではなく「面白い」である。
確かに見てみたら…
まるで、きみまろの漫談のようで面白い。
そうした面白い話し方で人を惹きつけて、
数多い介護の体験談を切々を語っている。
認知障害の話をしていた。
ボケてくると、
今何をしなければいいのかが、
よくわからなくなってくる。
代わりに…
若くはつらつとしていた
幸せな頃の思い出が蘇り…
歩くこともままならない爺さんが、
会社や畑に行こうとしたり…
干からびかけた婆さんが、
子供に乳をやらなければならないと言い出す。
三好氏いわく…
認知症は自分がわからなくなる、のではなく、
自分を確認しようとして起こる、という。
だから…
どんなにおかしなことを言い出しても
決して否定してはいけない。
自分探し=自分の居場所探しを否定されたら、
認知症の老人成らずとも不安は募るばかりだ。
不安を軽減するための方策としてあるのは、
できるだけ部屋の中の目につく場所に、
自分の持ち物をたくさん置いておくこと、だとか。
そこが自分の居場所だと確認できる、
最も手っ取り早い方法が…これ。
介護施設の善し悪しは、
個人の持ち物が見える場所にあるかどうかでわかる
…とも言い切っていた。
そんな話を聞いていると…
認知症は症状が極端なだけで、
若くたって
基本的には何も変わらないような気がしてきた。
自分の部屋を物であふれさせるのは
…安心感がほしいから?
買えば買うほど…懐は不安になっちゃうけど、ね。