朝、出勤まで5分の余裕があると、
いつぞや紹介した
川縁に原付を止めて一服する。
こんなドブ川でも
川の流れを見るのが好きだ。
真夏の木陰では、
せっかくのせせらぎが
セミの声にかき消されてしまうけど、
それはそれで…
人間が作り出した雑音とは違って、
自然界の音たちは
互いを引き立て合うシンフォニーを作り出す。
単調な川より、
飛び石が置かれた川のあたりが、
ほどよい水音があっていい。
規則正しい流れの中に、
ちょっと違和感のある波が見えた。
何か生き物がいる。
魚か…昆虫か…。
生き物が自然にもたらすのは、
だいたいこんな
自然の流れを乱すものなんだな。
それもまた自然には違いないけど。
攻め気合いではなく調和できないものか…
少なくとも、その点において
人間は川辺の生き物に劣ってるな。
…そんなことを考え…そして
原付にくくりつけた灰皿に煙草を押し込むと、
また爆音を立てて仕事に向かうのだ。