もし…
自分が心から愛している人が、
別の人を心から愛していて、
その相手が事故か何かに遭ったとしたら
…まず嬉しいと思うか？

さらに…
自分が医者か何かで、
その相手を救えるのが自分だけだとしたら
…喜んで救うことができるか？

こんなメロドラマのような話は滅多にない。
だいたい、
自分が医者だったら…なんて考えられないし、ね。

もっと単純に…
自分が好きな人の恋を成就させるために、
ひと肌脱げるか？といえば
寅さん派の私としては、きっと脱いでしまうな。

ようするにこれは…
愛の深さとか何とかという問題ではなくて、
愛とプライドのどちらをとるか…ということだと思う。

しかし、プライド自体は、
いわば自分に対する愛でもあるわけで…
故に寅さんの恋愛は成就しない。

言い換えれば、
相手のことを思いやる以上に
気ままなフーテン暮らしを望んでいるわけで、
フーテンと一緒になると苦労するから
…なんてのは言い訳。

もし本気で相手と添い遂げて
幸せにしてやりたいと思うなら…
真っ先に自分がフーテン暮らしから足を洗えばいい。

愛には人を変える力があるはずだ。

最も…
寅さんがフーテン暮らしを辞めて、
普通の勤め人になったら、
誰も寅さんに魅力を感じないかもしれないけど。

ただ…
本当に添い遂げられる人というのは、
その人が何をしていようと
一緒にいられる人…だとは思うけど、ね。

そうでなけりゃ…
年をとっただけで嫌になってしまうじゃない?!

そこで私の結論は…愛し合える人を愛したい。
…何かちょっと後出しジャンケンみたいだな。