この世の中は難しいことだらけだけど
…簡単なこともある。

たぶん一番簡単なのは…誤魔化すこと。

しょせん誤魔化そうなんて考えが起こるのは、
自分に誤魔化されてくれる程度の連中しか
周囲にいないか…
理屈や利害ぬきで
無条件に愛してくれてる
両親とか親類しか相手にしてくれないからだろう。

小さな世界はいくらでも誤魔化しがきく。

それは自分が持ってる
少しばかりの自分色のペンキを
ぶちまけて隠れる範囲でのこと。

当然、世間は広い。
自分都合で塗りつぶすことなど到底できない。

同じ量のペンキを広い面積に塗ろうとすれば
薄くなっていくだけ。

自分が進んで、あるいは生きて行きたい範囲と、
自分が持ってるペンキの量があきらかに違うなら、
ピンポイントで何かマークしていくか、
世間色と混ぜ合わせた別な色を作っていくしかない。

どうしても自分の色でなければ嫌だというなら
…塗れる範囲を飛び出すことはできない。

ペンキを増やすという手もないことはない。

しかし…
そのためにはやっぱり同じ場所にいたのでは増えない。

世間に半歩でも踏み出して、
怖じ気づいたからといって子供には戻れない。

凡人が奇跡の島のふりをすること自体、
…そもそも誤魔化しなんだ。