Episode No.3293(20090317)
想定できない顔

よく…
世の中には自分と同じ顔をした人間が
何人いる…なんて話を聞く。

実際にはお目にかかったことはないけど、ね。

そういうのがいて、
自分とはまったく違う環境で、
まったく違う人生を歩んでいるとしても、
今の自分には何ら影響を及ぼすものではない。

…でも、きっと
双子でもないのに
同じ顔の人間がいたら、かなり驚くだろうな。

異形のものを気味悪がることはよくあるが、
まったく同形というのもまた不気味。

先日、そんなことで、かなり驚いた。

最もいたのは自分にそっくりな人ではなく、
高校時代の友人にそっくりな人。

同じ電車に乗り合わせていて、
どう見ても、そいつにしか見えない。

高校時代の友人とはいえ、
去年久しぶりに会ってるから、
まず見間違うことはないだろう。

こちらは気になって、
ちょろちょろ見ているのに…むこうは知らんふり。

まさか、こんなところで会うとは思っていないから、
あえて気にしないようなそぶりを見せているのか?

そんなことを考えつつ、見るともなく気にしてみる。
…やっぱり、間違いないよな。
そう思いながらも同意を求められる連れもなく、
へんにヤキモキしたりして。

偶然にも、
その私とその相手は下りる駅が同じだった。
この時とばかり近づいて、同じドアの前に立つ。

そこで…ようやく、その相手が
友人とはまったく別人であることに気づかされた。

友人より30cmは背が高いんだ。
この年で1年に30cmも背が伸びるわけはないし。

でも、近づいて、よくよく見ても…顔は同じ。
まるで人形の首を
別な人形の体にすげ替えたみたい見える。

あるんだなぁ、こういうことが実際に…!

だから何だ?と言われても困るけど、ね。