Episode No.3257(20090203)
利口ぶってちゃ何にもできない

BS放送で
脚本家の橋本忍先生が
映画業界をめざす大勢の若者を前に
インタビューに答えていた。

橋本忍先生といえば、
脚本家の中でも大御所中の大御所。
何せあの「七人の侍」を
黒澤明監督と共に書いた人だから、ね。

若者たちへのアドバイスとして、
こんなことを話していた。

「学校で教わる勉強というものは、
 新しい知識でもって、
 いわばそれまでの自分の考えを
 否定しながら覚えていくものだが、
 そこには何の創造性もない。

 ひと度、作品にかかったら、
 絶対に自己批判してはいけない。

 若い人の多くには、
 書く前に作品に対する
 自己批判をはじめて、
 なかなか書き始めることができなかったり、
 書き始めても、
 途中で自己批判のために
 書き上げることすらできない人も
 多くいると思うが、
 最初から名作など書けるはずはない。

 少なくとも自己批判は
 書き上げた後で行えばいいのであって、
 そうして何度も書き上げることこそ
 重要なのだ」

大切なステップを飛ばして、
いきなりうまくいくはずもなければ、
簡単に人に認められるわけもない。

楽をすることが合理性だと思っていたら
・・・大きな勘違いだな、やっぱり。

そういえば今日は節分。
さて、まずは自分の中から、
どんな余分なものを追い出すか・・・!